遺言・相続関連

【保存版】相続手続きの流れと必要書類|期限・注意点を行政書士が解説



大切な人が亡くなった後、すぐに始まる「相続手続き」

大切なご家族を亡くされた直後、深い悲しみの中でも、避けて通れないが「相続手続き」です。

死亡届の提出や葬儀だけでなく、
遺言書確認・財産の調査・遺産分割協議・手続変更・相続税の申告など、さまざまな事務手続きが待っています。

特に手続きには期限があることも多く、初めて経験される方には大きな負担となりやすいです。

この記事では、行政書士として相続に関わる私が、
初めての方でも安心して進められるよう、相続手続きの全体像・必要書類・注意点を丁寧に解説します


相続手続きの流れ【チェックリスト付き】

相続手続きは、以下のようなステップで行います。順番を間違えるとトラブルになるため、全体の流れを把握しておくことが大切です。

  1. 死亡届の提出・火葬許可申請
  2. 葬儀・法要の実施
  3. 遺言書の存在を確認(検認手続き)
  4. 相続人の確定(戸籍収集など)
  5. 相続財産・遺産の調査
  6. 相続方法の選択(承認承認・限定承認・相続放棄)
  7. 遺産分割協議・協議書作成
  8. 名称変更(預貯金・不動産・株式など)
  9. 準確定申告(死亡日から4ヶ月以内)
  10. 相続税申告・納付(相続開始から10か月以内)

遺言書を最初に確認しましょう

相続手続きの始まりは、「遺言書があるかどうか」の確認です。
特に【自筆証書遺言】や【秘密証書遺言】が届いた場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要になります公正証書遺言検認不要です

遺言書がなければ、**法定相続人全員による「遺産分割協議会」**で財産の分け方を決める必要があります。


相続財産の調査|権利も対象です

相続の対象は、預貯金や不動産といった「プラスの財産」だけではありません。
借金・連帯保証・ローンなどの権利も相続の対象になります。

調査の際は、以下のような情報を集めましょう。

 口座銀行・通帳・取引明細

 不動産の登記事項証明書・固定資産税通知書

 株式・投資信託の証券会社情報

 借用書・ローン契約書・保証契約書

 クレジットカードの明細・郵便物など

💡負債が多い場合は、相続放棄や限定承認という選択肢も検討できます。


相続放棄・限定承認は3か月以内に判断を

相続の方法は3つあり、原則として【被相続人の死亡を知った日から3か月以内】を選択する必要があります。

方法 内容 注意点
単純承認 財産も権利もすべて相続 特に手続き不要(無事)
限定承認 財産の範囲内で資産を相 相続人全員の同意が必要
相続放棄 一切の相 家庭

遺産分割協議と協議書作成

財産・財産の全容がわかり、相続人が確定したら、遺産分割協議に進みます。

協議相続全員押印すること証明証明遺産分割協議書は、
・相続人全員が署名押印すること・
印鑑証明書を添付すること
が必要で、不動産の名義変更や預貯金の契約にも使います。


名義変更に必要な書類|金融機関・不動産・証券

▷ 預貯金の名義変更

 各金融機関の相続手続き依頼書

 相続人の戸籍謄本

 相続人の戸籍謄本・印鑑証明書

 遺産分割協議書

▷ 不動産(登記)の名義変更

 所有権移転登記申請書

 固定資産評価証明書

 被相続人・相続人の戸籍・住民票

 遺産分割協議書

 印鑑証明書(全員分)

▷ 株式・証券の名称変更

 証券会社の申請書

 戸籍謄本・印鑑証明書

 口座情報等


準確定申告も忘れずに【4ヶ月以内】

被相続人が生前に得た(給与・年金・事業収入など)を得ていた場合は、**死亡日までの結果について「準確定申告」**が必要です。

期限は【死亡日から4か月以内】です。
免責や医療費免除の適用も忘れずに確認しましょう。


相続税の申告・納付【10ヶ月以内】

相続財産が【基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)】を超える場合、相続税の申告と納付が必要になります。

💡例えば、法定相続人が3人なら、基礎控除額は4,800万円です。

相続税は原則「現金で納付」するため、資金の準備も早めに計画を立てましょう。


まとめ|早めの対応&専門家相談が安心への近道

相続手続きは、複数の手続きが重なる上に、それぞれに「期限」があります。
書類も多く、慣れない方にとっては非常に煩雑に感じられます。

特に、相続放棄・遺産分割・相続税など、判断を誤ると大きなトラブルに発展する恐れがあります。

✅不安な場合は、専門家に早めに相談することで、確実かつスムーズに手続きを進めることができます。


📝この記事のポイント(再確認)

 相続手続きは「流れ」と「期限」が重要です

 遺言書がある場合は検認の手続きに注意

 財産調査は「借金・保証」も含めて丁寧に

 名義変更・相続税には正確な書類が必要

 不安な場合は専門家への相談がおすすめ


田中 貴之

代表 行政書士 申請中

田中 貴之

保有資格 行政書士(申請中)、上級相続診断士、宅地建物取引士、AFP、証券外務員1種

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