【実務経験から解説】国によって違う本国書類の取り扱い|帰化申請で気をつけるべきこと

「母国からの書類、何をどう準備すればいいの?」と不安はありませんか?
こんにちは。帰化申請を専門に扱う行政書士の田中貴之です。
実際にご相談を受けていると、「どの書類を母国から取り寄せればいいのかわからない」
「いつまでに書類を揃えればいいのかわからない」という声をたくさん耳にします。
この記事では、本国書類の種類や有効期限、実際に起こりやすいトラブルと対応策を、行政書士の経験を踏まえて解説します。
本国書類は2つのタイプに分かれます
帰化申請に必要な書類のうち、母国から取り寄せる書類は、大きく次の2つに分けられます。
🟢 タイプ①:一生に一度しか発行されない原本書類
出生証明書の原本などが該当します
再発行ができない国や制度のもとで発行されたもの
有効期限が設定されていないタイプの書類には「発行日から〇か月以内」という明確な有効期限は設定されていないことが多いですが、そのまま提出できるとは限りません。
📌実務ポイント:
法務局によって、原本提示+コピー提出でOK
コピーに「領事認証(大使館での証明)」が必要なケースもあります
実際の事例
兄弟姉妹で1枚の証明書を共有していたケースでは、原本は一人ずつ手元に残るように権利事認証付きコピーを作成して対応しました。
🟡 タイプ②:何度でも発行できる証明書類
韓国・台湾・ネパールなどでは、家族関係証明書・基本証明書などを再発行できます
このタイプの書類は、通常「発行から6か月以内」のものを求められます。
📌法務局による違いにも注意
一部の法務局では「1年以内」と温暖な基準を設けている場合もあります
書類の性質(内容が変わらない)によっては、期限を設けない例もありますが一般的には6ヶ月以内が安全な目安です。
よくある質問とトラブル事例【実務から考える】
Q:古い本国の書類を使ったら申請できませんか?
A:できるケースもあります
実務上、内容が変わらない書類は「発行日が古くても可」とされるケースもあります。
ただし、ケースバイケースのため、必ず事前に法務局へ確認をしてください。
Q:領事認証って何が必要ですか?
A:原本の提出が難しい場合、「このコピーは原本と相違ありません」という証明書を大使館・領事館で発行してもらう手続きは予約制の場合が多く、取得には数日〜1週間程度かかります。
Q:他の家族が原本を持っていて手元にない場合
A:兄弟姉妹で原本を共有しているケースでは、コピーの作成が解決原因になりやすいです
原本の貸し借りを避け、領事認証付きコピーの作成をおすすめしています。
【申請前のチェックリスト】本国書類の準備で気をつけること
✅自分の国の書類が「どのタイプ」に注目する
✅ 取得に時間がかかる書類は、早めに取り寄せる
✅ 領事認証が必要か、事前に確認しておく
✅ 法務局ごとの基準の違いに注意
✅書類は「申請日」から逆算して
まとめ|本国書類の準備こそ、帰化成功のカギです
帰化申請では、日本国内の書類以上に、本国からの書類が原因で手続きが止まるケースが多いです。
一生に一度の原本は、コピー+領事認証が必要になることも
何度も発行できる書類は、原則6ヶ月以内のものをご用意しております
書類取得には日数・費用・翻訳の手間もかかる
早めに準備することが、スムーズな申請手続きにつながります。
📩 書類の内容や有効性が不安な方は、ぜひ行政書士までお気軽にご相談ください。
✅この記事のポイントまとめ
本国文書は「再発行できるかどうか」で対応が異なる
領事認証の要否は法務局によって異なる
書類の取得・翻訳には時間がかかるため、早めの行動がカギ
専門家と連携すれば、申請の精度と成功率が共に上がる