外国人関連

【最新データ】国籍別の帰化申請者数の動向と背景


帰化申請者の国籍は、日本の歴史的背景や国際情勢によって大きく左右されます。本記事では、直近3年間のデータをもとに、どの国籍の申請者が多いのか、その背景や傾向について詳しく解説します。

1. 国籍別帰化申請者数の傾向

法務省民事局の発表によると、帰化申請者数の多い国籍は以下の通りです。

  • 韓国・朝鮮
  • 中国(台湾を含む)
  • 東南アジア諸国(ベトナム、ネパール、スリランカ、バングラデシュなど)

特に韓国・朝鮮、中国からの申請者が多い理由には、歴史的背景が関係しています。

2. 韓国・朝鮮・中国の帰化申請者が多い理由

2-1. 歴史的背景

第二次世界大戦前、日本は1895年から台湾を、1910年から韓国・朝鮮を領有しており、戦前はこれらの地域に住む人々に日本国籍が付与されていました。

しかし、1952年4月28日のサンフランシスコ平和条約の発効により、韓国・朝鮮・台湾の国籍取り扱いが変更され、多くの人々が日本国籍を喪失しました。その結果、日本国内には帰化を希望する韓国・朝鮮・台湾出身者やその子孫が多く暮らしています。

【ポイント】特別永住者の現状

法務省の発表によると、2023年5月時点で日本には約28万1,218人の特別永住者が在留しています。

2-2. 「中国」の帰化申請者数の内訳

法務局では、「台湾」を国として認めず、台湾出身者の帰化申請書にも「中国」と記載するよう指導されています。そのため、帰化申請者数の統計において、台湾と中国本土の申請者を区別することはできません。

【ポイント】在日中国人の増加

日本に在留する外国人のうち、中国本土出身者は常に最多です。2023年6月時点で、法務省が発表した在日中国人の数は788,495人に達しており、帰化申請者数の上位を占める要因となっています。

3. 近年増加する東南アジア出身者の帰化申請

3-1. 帰化申請者の変遷

以前は日系ブラジル人の帰化申請者数が多い傾向にありましたが、最近ではベトナム人の帰化申請者数が増加し、ブラジル人を上回っています。

さらに、ネパール、スリランカ、バングラデシュ出身者の申請も増えており、東南アジア諸国からの帰化申請が目立つようになっています。

3-2. 変化の背景

以前は、東南アジア出身者は年収が安定せず、帰化や永住要件を満たすことが難しいケースが多くありました。しかし、近年では以下のような要因により、帰化申請者が増加しています。

  • 裕福な家庭出身者の増加
  • 有名大学卒業後、日本の大学院に留学するケースの増加
  • 日本の有名企業への就職者が増加

【ポイント】帰化申請者数と国際情勢

帰化申請者の国籍は、その時々の国際関係、母国の治安、政治・経済の影響を受けます。

  • 5年前:主に中国・韓国の申請者が多かった
  • 中国経済が安定していた時期:帰化相談は一時的に減少
  • 中国経済の不安定化:最近、中国人の帰化相談が再び増加
  • ネパール人の帰化申請が急増
  • ロシアのウクライナ侵攻後(2022年2月以降):ロシア人の帰化相談が増加

まとめ:帰化申請者数は時代とともに変化する

帰化申請者数の上位には、歴史的背景のある韓国・朝鮮・中国出身者が多い一方で、近年は東南アジア諸国からの申請も増加しています。国際情勢や経済状況によって申請者の傾向は変化するため、今後の動向にも注目が必要です。

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田中 貴之

代表 行政書士 申請中

田中 貴之

保有資格 行政書士(申請中)、上級相続診断士、宅地建物取引士、AFP、証券外務員1種

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