【岐阜】輸入車販売で古物商許可が必要な理由と申請ポイント｜行政書士が実務を徹底解説

岐阜県で中古車・輸入車販売を始めるには、まず古物商許可が欠かせません。
海外から中古車を仕入れて国内で転売する場合、古物営業法の対象となるため、許可なしでの営業は法律違反となる可能性があります。
本記事では、輸入車販売業に特有の保管場所の確保・台帳管理・名義管理など、実務上の注意点を行政書士が詳しく解説します。

なぜ輸入車販売業に古物商許可が必要なのか

古物営業法では「一度人の手に渡った物を売買する事業」を「古物営業」と定義しています。
そのため、海外で中古車を購入し、日本国内で転売する行為は古物商許可の対象になります。
仮に許可を取得せずに営業を行えば、3年以下の懲役または100万円以下の罰金という重い罰則の対象となる可能性もあります。

特に輸入車の場合、仕入・販売を反復して行うケースが多いため、事業開始時に許可を取得しておくことが重要です。

許可が必要となる具体的なケース

• ドイツ・アメリカなどから中古車を輸入して販売
• 業者オークションを利用して仕入れ、国内で転売
• 整備・改造後に中古車として再販売
• 法人として輸入車を複数台販売

一方で、1台だけを自家用で輸入して乗るだけであれば許可は不要です。
しかし反復継続して販売すれば事業扱いとなり、古物商許可が必要になります。

車両販売ならではの審査・実務上のポイント

① 車両保管場所の確保と証明

車の販売では、保管場所の実態が特に重視されます。
営業所とは別に保管場所を設ける場合、その場所の契約書や承諾書を提出する必要があります。
岐阜県では、現地確認が行われるケースもあるため、事前に整えておくことが重要です。

• 月極駐車場 → 契約書＋使用承諾書
• 自社所有地 → 登記事項証明書
• 第三者所有地 → 使用承諾書必須

② 車両台帳管理の徹底

車両ごとに「車台番号」「年式」「仕入先」「販売先」「本人確認情報」などを記録し、5年間保存する義務があります。
中古車販売では、盗難車やトラブル防止の観点からも非常に重要な要素です。

③ 名義・車検証管理の明確化

輸入車販売では、名義変更の手続きや車検証の管理が不可欠です。
警察の審査では「誰が・どのような流れで名義変更を行うのか」を明確にすることが求められます。

輸入×販売で注意すべき法的ポイント

輸入車販売では、古物商許可だけでなく他の法令との連携も必要です。
特に並行輸入車では以下の点が重要になります。

• 通関証明・排ガス証明の有無
• 道路運送車両法・道路交通法への適合
• 名義変更・本人確認の実施
• 関税・消費税の適正処理

他の商材とは違い、自動車は多方面の法令が関係します。
法的なリスクを回避するためには、許可取得後の運用体制の整備も欠かせません。

岐阜県での申請時の注意点

岐阜県では、申請窓口は営業所所在地を管轄する警察署 生活安全課です。
輸入車販売の場合は、特に以下の点がチェックされやすい傾向にあります。

• 営業所と車両保管場所の使用権を証明する資料
• 写真・図面・レイアウトの添付
• 事前相談による補正リスクの軽減
• 申請から交付までの期間は約40日前後

不許可・補正になりやすい事例と対策

• 保管場所の説明が曖昧 → 契約書＋現地写真で補強
• 取扱区分の誤り → 「自動車商」を選択
• 台帳・名義管理体制が不明確 → 運用フローを提示

車両販売では、他の業種以上に補正になるケースが多いため、初回申請の精度が大切です。

行政書士に依頼するメリット

輸入車販売の許可申請は、ネット販売よりも複雑です。
行政書士に依頼することで以下のメリットがあります。

• 保管場所・営業所の要件チェック
• 必要書類（契約書・承諾書等）の整備
• 補正リスクの大幅軽減
• 許可後の運用相談（台帳記録・変更届等）

まとめ｜輸入車販売では「許可＋運用体制」が鍵

輸入車販売業を始めるなら、古物商許可は必須です。
車両特有の保管場所・名義・台帳管理といった要素を軽視すると、補正や不許可、法的トラブルに発展するリスクがあります。

一方で、しっかりと準備を整えれば、輸入車ビジネスは収益性の高い分野です。
開業前の段階で体制を整え、スムーズな申請・運用を進めましょう。